戦争の傷を、文化と美食の力で未来へ。サン・セバスティアンで感じたこと

スペイン・バスク地方、サン・セバスティアンにある五つ星ホテル
「ホテル・マリア・クリスティーナ」を訪れました。

1912年に誕生し、スペイン王室やヨーロッパの上流階級を迎えてきた、100年以上の歴史を持つホテルです。

しかし、この美しい建物にも、スペイン内戦という悲しい歴史があります。

今も外壁には、当時の銃弾の痕跡が残されているといいます。
戦争後のスペインでは食料不足や厳しい生活が続き、バスクの人々も苦しい時代を経験しました。

それでも人々は、限られた食材を大切にし、工夫して料理し、家族や仲間と食卓を囲む文化を守ってきました。

その積み重ねの先に、現在のサン・セバスティアンがあります。

今では世界中から人々が訪れる、美食と文化の街。
そしてホテル・マリア・クリスティーナも、現在ではサン・セバスティアン国際映画祭を訪れる世界の映画人たちを迎える、街を象徴する存在となっています。

私はこの街を歩きながら、「復興とは、元に戻ることだけではない」と感じました。
苦しかった歴史を忘れるのではなく、そこから新しい価値を生み出し、次の世代へつないでいく。

それは、戦後、焼け野原から立ち上がった広島の歩みとも、どこか重なります。

悲しい歴史を、未来をつくる力へ。
そして、次の世代の子どもたちが安心して暮らせる社会を残していく。

サン・セバスティアンの美しい街並みの中で、改めてそんなことを考えました。
歴史を知ると、街の景色はもっと深く見えてきます。

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