【エッセイ】ピンクシティ in インド@多田多延子
みなさま、こんにちは。ピンク社長こと多田多延子です。
今年4月に参りましたインドのエッセイを寄稿しました。
ご覧頂けましたら、嬉しいです!
ピンクシティ in インド
初めてインドを意識したのは、幼稚園の時にインドの神話の絵本でゾウを見た時だった。
その中でゾウは世界を支える存在として描かれていた。
偉大さや賢さ、愛情深さなどプラスのイメージを持つゾウがいる国、
インドにも同様の憧れを抱いた。
そして、長い長い年月が経ち、
今年四月成田空港から九時間のフライトを経てデリーに降り立った。
いつかは行きたいと思いながら、なかなか足が向かなかったインド。
しかし、人口が十三億人を超え、〇歳から二十五歳以下の人口が六・五億人となり、
世界銀行がインドを二〇二五年までに世界経済の「成長の柱」と予想を発表した時、
「インドの今を知りたい!」そんな欲望に駆られ、飛行機に飛び乗った。
インドの面積は日本の約九倍。
ヒンドゥー教徒が八十一%、イスラム教徒が十二%。
数世紀もの間イギリスに統治されたが、非暴力と不服従をモットーとした
ガンジー指揮の元、一九四七年八月十五日イギリスが権利を明け渡し独立。
今では連邦政府形式の世界最大の民主主義国家となっている。
太陽光発電量においても日本を抜いて世界三位となり、
再生可能エネルギー推進にも積極的だ。
驚く事に、インドにもピンクシティと呼ばれる街があった。
ピンクシティの由来は、読んで字の如く町中がピンクだから。
一八七六年ヴィクトリア女王の息子アルバート王子がこの町を訪れた際に、
ジャイプルの藩王マハーラージャー家が歓迎の意味を込め、
市街の建物をピンク色に塗ったのをきっかけとして、
それ以来、建物をピンク色に塗るようになったそうだ。
そのピンクシティで偶然、結婚式に遭遇した。
五百人を超える参列客のほとんどがピンクのドレス。
男性は全員マゼンダピンクのターバンを頭に巻いていた。
オーケストラの衣装も全員ピンク。
まるで仮装パーティーのような光景に「これは何かの映画の撮影なの?」 瞬間そう思った。
しかし、このピンク尽くしのウェディングはインドでは最も一般的なものらしい。
三六五日ピンクのお洋服を着ている私は、インドでもちろんピンクだった。
親族でも友人でもなく、しかも外国人の私はピンクを身にまとっているというだけで、
大歓迎を受け、お祝いの輪に加わった。
マゼンダピンクはインド大陸の伝統的医学であるアーユルヴェーダで
第八チャクラの色とされ、「高い精神性を現実に表していく力」を
合わせた最高位の色として大切にされている。
お祝いの席に欠かせない色で、最も祝福を表す色だそうだ。
ピンクウェディングこそ最高の祝福を表すインドのウェディングなのだ。
実際に訪れてみなければ、決して知ることがなかったインドの文化、
風習を体験出来たことが最高の収穫だった。
モロッコに続き、またもピンクシティで素敵な時間を過ごさせてもらった。