【インド】世界一美しい建築物 タージマハルを拝しました
みなさま、こんにちは。
ピンク社長こと多田多延子です。
今年の2月にモロッコにてハッサン2世のモスクの神聖な美しさに感銘し、
イスラム建築に魅了されました。
そして、この度 世界一美しいイスラム建築
美しく白亜の巨大なお墓「タージマハル」を拝する機会に恵まれました。
ハッと息をのむほどの壮麗な美しさです。
このタージマハルは、強大な力を持った時の第5代皇帝
シャー・ジャハーンが、自身が愛したお妃さまのリクエストに応える為に
巨額の建設費用をつぎ込んで建設されました。
皇帝が無駄遣いをしすぎたために息子に幽閉(ゆうへい)された、
という残念な逸話も残るほどの霊廟です。
タージマハルは、16世紀の初めから19世紀後半まで
およそ300年以上続いた安定したイスラーム国家であるムガル帝国の
第5代皇帝シャー・ジャハーンが、1631年に逝去した
愛妃ムムターズ・マハルを埋葬するために建設した総大理石の霊廟です。
タージマハルは1632年に着工され、出来上がるまでになんと22年を要しました。
なぜそんな莫大な費用と年月をかけてお妃のお墓を作る事ができたのか?
それは当時のムガル帝国の繁栄にあります。
実は当時のムガル帝国は、安定した政治支配の下、さまざまな産業が発達していました。
中でも木綿産業は、当時「世界でもっとも進んだ製造業」と言われる程の産業で、
世界中の人々が、インドの木綿を求めてムガル帝国を訪れました。
実は後にイギリスで産業革命が起こったのも、
インド木綿が原因の一つと言われるほど、
当時のインドは木綿によってその繁栄を極めていました。
ムガル帝国が繁栄を極めていた事により、
タージマハルは世界中から素晴らしい材料を用いて建設されました。
まず建材はインド中から1,000頭以上もの象をつかって運ばれてきたといわれ、
大理石はラージャスターン地方のジャイプル産といわれており、
さらに赤砂石はファテープル・シークリーの石切り場から運ばれたとされています。
翡翠(ひすい)や水晶は遠く中国から、トルコ石はチベットから、
サファイアはスリランカから、カンラン石はエジプトから、
珊瑚や真珠貝はアラビアから、ダイヤモンドはブンデルカンドから、
アメジストや瑪瑙(めのう)はペルシャから集められたとのこと。
他にも、碧玉(へきぎょく)はパンジャーブ地方から、
ラピスラズリはアフガニスタンから、カーネリアンはアラビアから
取り寄せられたもので、全体で28種類もの宝石・宝玉がちりばめられているそうです。
これほどの材料ですので、
加工する技術者も非常に優秀な方を世界中から招聘(しょうへい)したということです。
タージマハルの美しさはその細部に至るまで、
まさに完璧を求めた、という事なのかもしれません。
しかしタージマハルの建設は、
皇帝の愛妃ムムターズ・マハルの遺言のひとつを忠実に守った
皇帝シャー・ジャハーンの深い愛情によるものである、ということを忘れてはなりません。
その証拠に皇帝シャー・ジャハーンは、タージ・マハルと対をなす形で
ヤムナー川を挟んだ対岸に黒大理石で出来た自身の霊廟を作ろうとしました。
結果的にその霊廟の建設は行われませんでしたが、
それほどまでにお妃を愛していた、ということでしょう。
自身の霊廟の建設の夢は叶うことなく、アグラ城から白く輝くタージマハルを眺めつづけ
愛妃を思いながら、皇帝シャー・ジャハーンはその生涯を終えてしまうことになります。
実はこのような愛の物語がこの「タージマハル」には隠されているのです。
悠久の時を経て、現在にまで受け継がれているこの白亜の霊廟「タージマハル」は、
インドの観光産業を支える重要な世界遺産の1つとして数えられ、
その美しさは世界に類を見ないほどです。
朝陽のタージマハルも素敵でしたよ。